AMD Ryzen 7 3700X を10Wまで省電力化する

2022年4月14日

つよ CPU をいかに性能ダウンさせるか

クロックを下げる、CPUの電圧を下げる

※クロック・電圧を下げることで10W程度までアイドリング時のCPU消費電力を抑えることができました。詳細は最後の方にかいてあります。適度に回しているときでも15Wほどどです(下図)

2800MHzに抑え、CPU稼働率37%ほどで消費電力15Wの図

AMD Ryzen 7 3700Xとその上位商品のの紹介です。詳細情報を見ていただくのに便利かなと。3700Xはまだまだ使えるコですが新品購入するには悩むところでしょうか。5950X使ってみたいなぁ…💦

Ryzen 7 3700X は8コア(16スレッド)に加えて潤沢なキャッシュメモリを備えています。2019Q3(7月)発売ですが、2年半ほどたった2022Q2(4月)の時点でも強いほうの部類に入るCPUかと思います。

特徴的なのは 65W TDP であるということ。TDPはイコールで消費電力ではないですが、発熱や消費電力もろもろに関係する数値です。ものすごくざっくりの説明ですみません💦 「同じシリーズで TDP が低ければ消費電力もそのぶん少ない」くらいに思っておいてもらえれば…。

8コアに加えて、キャッシュを三段階も搭載しており、L3 キャッシュの容量は 32.0MB

TDP 65W で消費電力が少なめ ⇒ マイニングしてみる

実際にどれくらい電力を消費しているか確認してみます。CPUでも暗号資産(仮想通貨)のマイニングができる XMRig というツールでCPUをごりごりと使用して負荷をあたえ、その状態で計測してみました。

マイニングソフト XMRig の初期画面。CPUのコア数・キャッシュ量などが表示されています

CPU 8コアとも使用率 100% ⇒ 50W 台の消費電力

4050MHz(4.05GHz)と半ブーストのかかった状態で(基本クロックは3600MHz)60Wを切る消費電力となりました。この状態でのCPUの状態と、マイニングの実行レートを画像で示します。

実際に収穫できたBTC量をアルゴリズム daggerhashimoto で採掘する場合に必要なハッシュレートを暫定で記載しています

定格よりも高クロックで60W以下の省エネ設計
2.8MH/s相当、53W = 52kH/J

2.8MH/s相当(※)、53.3W = 52kH/J となりました。ハッシュレート・採掘効率としてはどちらも残念な結果ですが、60Wを超えることはなかったので、やはり比較的消費電力がおさえめのCPUといえるかなと思います。

クロックと電圧を下げてさらに省電力 ⇒ マイニングしてみる

2800MHzと、基本クロックの3600MHzを2割以上下回る手持ち環境で設定可能の下限までクロックを落としてみました。(それに伴いCPUへの供給電圧も低下させていますが、故障の危険があるので割愛しておきます💦)

その結果、20W少々、25Wにも届かないという消費電力となりました。この状態でのCPUの状態と、マイニングの実行レートを画像で示します。

定格より2割遅くして20W少々の消費電量になってしまった
2.4MH/s、20.6W = 116kH/J

2.4MH/s相当(※)、20.6W = 116kH/J となりました。およそ30W節約できたうえにCPUでの採掘効率は2倍強になってしまいました。BTCの値段と電気代次第ですが、100kH/Jあれば採掘の可能性はゼロではないと思っています。

クロックと電圧を下げて放置した消費電力(W)

Ryzen 7 3700Xについて、半ブーストやクロックを下げた状態でCPUを100%使用時の消費電力は上で示してみました。では、これでCPUを暇にさせてみると消費電力はどれくらいでしょうか?

CPU安静時(GPUマイニング2枚を実行中)

なるべく高めのW値をスクショにしました。観測していた8割以上の時間、CPU単体での消費電力が2800Mhzで10Wを切っていました。

まとめ

マイニング放置で高性能CPUは電気代の無駄!という固定観念があり、たしかに標準設定のままであればバカにならない電気代がかかっていたのも事実。その一方で、クロックを下げて(電圧もすこーしだけさげて)やると、かなりのエコCPUに変身してくれることがわかりました。3700Xすごい!

なにがいいというと、いざパワーがほしくなればマイニングを止めて、CPUの制限解除をして、ブースト全開にすればよい。という選択肢があることでしょうか。2台用意するのもありと思いつつ、PCは起動しているだけで電気を消費するということは忘れないようにしたいですね